ナルシストと恋は de キュン!





 デブ猫の真似をして、箱の上をどんどん登っていく。

 ――ガララッ

 こっ、これって、やばいヤツだ……。

 上の方で空箱が混じっていた。
 体勢を崩してデブ猫を巻き添えにして、地面へと頭から落下する……。

 その光景がスローモーション映像のようにゆっくり流れているのが怖い。

 ファサ!

 あっ――前にも似たようなことが。

 凝縮された時間が一気に開放され、元に戻った。

 鳴雄。
 また、私をお姫様抱っこで助けてくれた。それもデブ猫も私のお腹の上でしっかりキャッチしている。

 キュン……。

 嘘、また?

「ニュン!」

 ん? どうやらキュンしたのは私だけではないらしい。

「怪我はないかね?」
「はい」「ニャン」

 どうやらデブ猫もなってしまったらしい。

 鳴雄の下僕(▪▪)に……。

「では、戻って我を手伝うと良かろう。そこの下僕333号よ。お前も手伝うのだ」
「にゃにゃにゃ」

 言葉が通じている。

 鳴雄に333号と命名されたデブ猫は、おとなしく後をついてきて、テーブルの下にゴロンと横になった。

 その後、無事お餅は完成し、本格的に商店街の祭りが始まったが、ただ寝っ転がっている黒猫がとても可愛くてSNS映えすると画像をいっぱい撮られ始めた。

 だけど、自分の下僕に嫉妬したのか、猫の前でポーズを決めてはお客さんから大ブーイングを受けている鳴雄だった。





 ――それにしても、2回もキュンしちゃうなんて、私……。