んー。
んっ――。んんっ~~~⁉
何この視線?
視界の端に揺れる謎の黒い生き物。
ふとそちらに視線をやると、テーブルの端っこに作ったばかりの餅が入った袋をおデブな黒猫が銜えてこちらを見ていた……。
「あら~! 可愛いニャンコねー。その袋をそっとそこに起きなさい」
「んにゃ⁉」
「って、くそぉー。待てぇー」
棒読みのセリフを見透かされたか?
巨体のおかげで、結構袋は大きいのに軽々とかっさらっていく黒猫。
――ちょ待って、そこは。
デブ猫が路地裏の中に曲がっていった。
見失ってしまったら、一大事。
私の餅の取り分が減ってしまう。
黒猫は階段状に積み重なった木箱の上をどんどん上に登っていく。
普通ならここで諦めるが、今日は餅がかかっている。
諦めてなるものか⁉



