きな粉の袋を持ったおばちゃんは商店街の入り口の角にある商店のおばちゃんで私も小学生の頃、何度かこのお店に親と一緒に買い物をしたことがある。
鳴雄の彼女?
ないないない。
そう鳴雄は特殊な存在。
アイツが誰かと付き合うなんてはあり得ないし、私だってそんなこと微塵も思ったことがない……と思う。
商店のおばちゃんが帰ったあと、きな粉をアルミのトレーに薄く広げて餅が完成するのを待つ。
しばらくすると、今度は以前鳴雄が謎の儀式をしていた八百屋さんが来て、美味しそうなイチゴをたくさん置いていってくれた。
いやね。
餅の中に入っているイチゴ……すなわち、いちご大福って最高なんだよな。
まさか出来立てを食べれるなんて、やはり今日は私のラッキーデー。
「ふむ、3種類か。よかろう」
鳴雄が、臼の餅を白い布に包んでテーブルの上にある大きな木板の上に移した。
薄く引き伸ばした餅を千切って、餡子やイチゴを包み、その内の半分くらいをきな粉をまぶしていく。
それにしても鳴雄って。もち製造マシーンかって言うくらい、めちゃくちゃ高速で餅を完成形に仕上げていく。
私が1個包んでいる間に10個くらい驚異的なスピードで包んでいる。――ってか 私の手伝いって、正直いらないんじゃ……。
「ふむ、あとは任せた。我は次の餅を突く準備をする」
そう言って鳴尾は蒸している籠からまたもち米を臼に移す準備に取り掛かった。残りは私の方で、包む作業をしていた。



