「下僕は、動物だけとは限らないのだよ」
どんどん人間離れしてきてるな、アイツ。
広場の方では残ったヤンキーたちが鳴雄をひどい目に遭わせようと殴りかかっている。だけど、片手にマジックペンを握った鳴雄がキャップを抜いて、ヤンキーの拳を鮮やかにかわしながら、顔中に「私は鳴雄様の下僕になりたいです」と落書きされていっている……。
「ハァハァ、くそっ覚えてろよ?」
「ふむ、また我のサインが欲しくなったら来るがいい」
捨て台詞を吐いて、ヤンキーたちが逃げていった。
「下僕たちよ、残念ながら今日の我を愛でる会は中止と相成った」
柄にもなく残念そうな鳴雄。
それだけ愛でる会というのを楽しみにしていたのか……。意味わかんないけど。
「いいえ。まだ中止じゃないですよ。ほら私たち二人もいるし雑草たちも」
ザワザワと私たちが先ほどまでいた辺りの草がざわついている。
これマジ? ――本当ならホラーなんだけど?
「そうだな。我としたことが少し弱気であった。礼をいう8号よ」
「いいえ、――あっそうだ。踊ってもらえませんか?」
まあ、美柑ったら、なんて大胆!
お母さん(産んでないけど)、あなたの成長に涙が出てきそう……。



