「周東さん」
「うん? どうしたの」
「私、鳴雄サマと直接話してきます!」
「えっ――う、うん。行ってらっしゃい」
目を丸くする周東。
雛子も同じ気持ちだ。
何か覚悟を決めたのか、いつも遠巻きに鳴雄ウォッチングをしているだけの美柑が行動を起こした。
「鳴雄サマ」
「ふむ、どうしたのだ下僕8号よ」
「あの……ずるいです」
――ふぇ?
ちょっと美柑ちゃん。
急に何を?
「私も今夜の愛でる会に参加したいです!」
ガクッ
そっち?
てっきり、告白を受けるんですか? とか言うのかと思っていた。
「ふはははっ、よかろう。皆で存分に我を愛でるが良い」
話がまとまったみたい。
恥ずかしそうで嬉しそうな顔で自分の席に戻ってくる美柑。
少し顔を引きつらせた周東が教室から出て行くのを見て、心の中でほくそ笑みながら、親友を迎えた。
「お帰り」
「うん、ただいま」
「いいの、あんなんで?」
「うん、だって……」
ラブレターを出した子がどんな気持ちであれ、同じ鳴雄を愛でる下僕の一員。仲間意識はあるが、抜け駆けだけは許せないと不思議な持論を展開しだした。



