美柑を キッチンのところまで引っ張って状況確認をしていると、あろうことか、 先ほど注文したパスタが入っているデリバリーケースを勝手にいじり出した。
「ちょっとアンタ! 勝手に何やってんのよ⁉」
「ふむ? ちょっと虫を潰していただけだが?」
美柑が連れてきたこの頭のおかしなガキンチョは、デリバリーケースにくっついていたボタンを引き千切り、人差し指と親指に挟んでパキッと潰した。
何壊してんだよ、お前……あたしゃ知らんぞ?
「もう結構! 美柑の彼氏だが何だか知らんが、とっとと帰れ!」
「お姉ちゃん」
「美柑は黙ってて。こんなヤツと付き合ったら頭おかしくなるよ!」
「よかろう、では帰るとするか」
「『よかろう』じゃねー! はやく帰れや⁉」
「やれやれ」
こっコイツは……。
人をイラつかせる天才か?
こいつが外に出たら塩撒いたろ。
って、美柑。おーい!
慌てて美柑が玄関の外にあの変人を追って出て行ってしまった。
まあ、マンションの外に出るまでは送ってやった方がいいかも。あの様子じゃマンションの他の住人にも迷惑がかかりそうだから……。



