「ねえ美柑~」
親友の桜餅雛子。
あらゆる餅に目がないイマドキの女子高生。
私、伊予美柑とは高校からの付き合いだが、まるで幼馴染のように感じる。
彼女が猫なで声で話しかけてくるときは、たいていお願いごとをしてくる。
「今日、ウチのママの誕生日なんだ……」
雛子の母親の誕生日らしく、帰りにケーキを受け取ったり、立ち寄るところがいくつかあるらしく、放課後の日直を代わってもらえないかと頼まれた。
「いいよ」
「ありがとー! さすが我が親友」
友だちの頼みであるのは、もちろんだが、美柑にとっては、それ以上に今日の日直にはある重要な意味がある。
それは――
「しっかり閉めたかね?」
「はい、鳴雄サマ☆」
「ふむ、では参ろうか。職員室へ」
「はい、成雄サマ☆」
今日の日直のペアは鳴雄サマと雛子のふたり。
すごく羨ましかったが、表情には出さずに普通を演じていた。



