ナルシストと恋は de キュン!





「ピンポーン!」
「うーんと……お姉ちゃん、宅配の人かも」
「美柑、これで払って~」
「えー、また頼んだの」

 美柑の姉、伊予 瀬十花(いよ せとか)19歳大学1年生。

 両親は海外で仕事が多く、半年に一度帰ってくるかどうかで実質ほぼグータラな姉と二人暮らしをしている。

 マンションのエントランスに食品の宅配業の男性がヘルメットを被ったまま、カメラの前に立っていた。

「●●●宅配です」
「あっ、はい。今、開けました」

 エントランスの自動ドアを解錠し、伊予家のある5階までエレベーターで上がってもらい、玄関先でデリバリーのパスタを受け取り、姉から受け取った財布で料金を払った。

 食べた後の食器はデリバリーケースに入れて、エントランスに出したら夕方回収に来てくれるとのことで昔のことなど知らないがずいぶんと便利になったんだろうなと思う美柑だった。

 姉はお淑やかな大学生を外では演じているらしいだが、休日はこの通りグータラで、料理はおろか外食に行くことすら面倒で、こうしてよく配達サービスを利用している。

 そのせいで、中学に入った頃から美柑の方が料理する頻度が多くて、今では料理の腕にちょっと自信がある。