ナルシストと恋は de キュン!






 おかしいな?

 最初の休み時間。
 普通、転校生が来たら取り囲むだろ? 
 ましてや俺、周東究流だぞ?

 いちおう遠巻きに熱い視線を感じるし、扉の所には他のクラスの女子らしき連中もいっぱいこちらを覗いているが、誰一人近寄ってこない。

 口元にうっすら笑みを浮かべて印象操作も完璧な俺に近づいてこないなんてこの学校どうかしてる……。
 
 ――カシャ

 ん?

 俺の前に座っているヤツが自撮りするフリして俺を撮った?

 なんだ、悪いヤツじゃないかもしれん。
 どれ話しかけてやるか。

「ねえ、今、俺のこと撮ったでしょ?」
「……我に話しかけているのかね?」

 『他に誰がいるんだよ、ボケっ⁉』っと心の中でツッコむが、外見はあくまで優しそうな感じで返事をする。

「別に隠さなくていいよ……そうだ! じゃあスマホで今、撮ったの見せてよ」
「ふむ、これだが?」

 やっぱ撮ってんじゃん。
 前の席の男の耳たぶの下に思いっきり俺が写り込んでいる。

「俺が入ってるよね?」
「たまたまだ。お前など撮るつもりはない」

 はぁぁぁぁああああ~~~~っ⁉
 人を盗撮しておいて、スゲーなコイツ。