可愛くなりたい!

今日も一日の授業が終わった。クラスメートは部活に行ったり帰宅したり、教室を次々に出て行く。私の机に日陽花ちゃんが近付いてきた。

「深月〜!今からデパコスみんなで見に行くんだけど、一緒に行く?」

「ごめん。今日委員会の仕事があって。また今度誘って」

私がそう言うと、教室の隅からクスクスと笑い声が聞こえてくる。どうせ、「メイクなんてしないくせに」ってやつだ。

「それは残念。また今度誘うね」

「うん。ありがとう」

日陽花ちゃんを見送った後、私は保健室へと向かう。私は保健委員だ。足取りは軽いものの、胸には緊張がある。だって、渉くんも同じ保健委員だから。

「有栖川くん、遅れてごめんね」

「大丈夫だよ。ここから半分、お願いできる?」

「うん」

渉くんと生徒に配布するプリントを作成していく。ひと段落して顔を上げると渉くんと目が合った。心臓がドキッと大きく跳ねる。

「歌川さんって肌綺麗だよね。ニキビできたことあるの?」

突然そんなことを訊かれ、真っ赤になった顔をプリントで隠しながら答える。