可愛くなりたい!

伝説のインフルエンサー?××?わからない言葉だらけで首を傾げてしまう。すると周りからクスクスと笑う声が聞こえてきた。

「歌川さん、××も知らないんだ」

「何で日陽花、あんな地味子に話しかけてるんだろうね」

そんな言葉は言われ慣れた。おしゃれで流行りのメイクに詳しい日陽花ちゃん。地味でメイクなんてしたことのない私。地味な月と派手な太陽。何を言われても事実だから、傷付くことはない。

反応の薄い私に、日陽花ちゃんは不満そうに口を尖らせる。

「もうちょっとおしゃれのこと、勉強しなよ」

「今は英語の勉強をしたいの」

私がそう答えると、日陽花ちゃんはさらに不機嫌そうな顔になる。面倒くさいことになるな、と覚悟した私だけどそれは杞憂に終わった。日陽花ちゃんは教室の後ろの方を見て走っていく。

「有栖川くん!これ見てよ〜!」

日陽花ちゃんが口にした名前に胸が高鳴る。私の目は教科書から教室の後ろへと移動した。

教室の後ろには、女の子に囲まれている男の子がいる。アイドルみたいに華やかな顔立ちだ。男の子が日陽花ちゃんを見て「あっ!」と驚く。