日曜日、課長の告白を受けてから丸一日、ひとりで延々と考えていた。私はいったい彼をどう思っているのだろうと。

 OJT研修時代、彼を『素敵な人だな』とは思っていた。けれどそれは、指導担当の先輩に対する尊敬の念だ。たまにドキドキするのは、彼が誰もが見惚れるほど整った容姿を持っているせい。イケメン芸能人を生で見ているようなものだから仕方ない。自分には遠距離恋愛中の恋人がいる。他の男性に惹かれるなんてありえない。

 今思えば、そんなふうに自分に言い聞かせていた気がする。

 仕事に打ち込むあまり、遠距離中の恋人とは別れる結果になったけれど、それほど精神的にダメージはなかった。むしろ他に気にするものがなくなった分、遠慮なく仕事に打ち込めるようになった。

 仕事に夢中になって恋愛を忘れているうちに、気づいたら四年が経っていた。二十六歳という年齢から、結婚を意識し始めていたところに知り合ったのが慎士だった。

『このまま一生独り身かも』という焦りがあったのは否めない。だから『仕事に一生懸命なところも魅力的です』という慎士の口説き文句にコロリと墜ちた。

 結果、また振られた。しかも〝仕事中心〟という理由で。