近くで月と燈の声が聞こえて、俺はハッとした。

考え込んでる場合じゃないんだった。一秒たりとも月から目を離さないように、燈たちに触れさせないようにしないと。


俺は、ちょうど月から離れていった燈を横目に、月の顔を覗き込む。

「つーき?」

「あ……な、凪翔くん、どうしたのっ?」

ふふ、反応かわいい。

でも、視線はまだ燈のことを追っているように見えて、俺は口を開いた。