さいあく、と俺・凪翔はクリオネを見ながら小さく呟く。


今日は月との、恋人になって初めて一緒に出かける日。

もちろん、ずっと楽しみにしていたのに……まさか、燈と岬、そして燈の従兄弟と回ることになるなんて。

しかも燈は月のこと好きだし、従兄弟──鈴は月と親しく話してるし?

もう一回言うけど、ほんっと……さいあく。


「──うん。月ちゃんみたいだ」

「え……?」