彼と、花火と、観覧車

 まるで海外にある洗練されたレストランのようなパーティー会場。
 テーブルの上には洒落た創作料理がずらりと並んでいて、それぞれが好きなものを取りながら談笑している。
 今日は大学時代の先輩・真木(まき)さんの結婚披露パーティーがあり、私を含め、会場には懐かしい顔ぶれが集まっていた。

 真木先輩は高身長で頭がよく、さわやかさを絵に描いたような人だから、かなり女性にモテる。
 私は“淡い憧れ”の範ちゅうを超えることはなかったけれど、大学時代は先輩後輩を問わず、多くの女の子たちが目をハートにしていた。
 当時の記憶をたどると、気さくでやさしい先輩だったという印象が強い。

「真木先輩、結婚しちゃったねぇ」

 料理を物色しながら、友人の澄香(すみか)が隣でつぶやくように言った。

「先輩は私たちより二歳年上だから、まだ二十八でしょ? 結婚は三十代でも遅くないのに」

 澄香はそう言うけれど、人それぞれ考え方が違うと思う。
 今は生涯を通して未婚という人も少なくない。どんな生き方を選ぶかは自由だ。

「真木先輩はさ、一生一緒にいたい、大事にしたいって思える女性と出会えたんだよ。幸せそう」

 みんなに囲まれ、笑顔で祝福されている新郎新婦を見ていると、少しだけうらやましくなった。
 真木先輩なら素敵な家庭を築けるに違いない。