転生聖女〜現代日本に転生したら、勇者と魔王も同じクラスだったのでクラス替えお願いします

 アイリとショッピングモールのフードコートでお昼を食べて、ぷらぷらして、夕方になったから帰ることにする。

 駅に向かって歩いていたら爆発音のようなものが聞こえた。


「びっくりした……何?」

「事故みたい。あそこ、車がひっくり返ってるよ」


 アイリの視線を追うと、確かに車がひっくり返っていて、少し離れたところで別の車が凹んでいた。

 どちらの車からも黒い煙が上がっている。

 もしかして炎上したり爆発したりする?

 でも、周囲の人々は気にせず近寄って、運転手を助けたり車の真横で通報したりしていた。

 少ししたらパトカーと救急車がきたけど、消防車は来なかった。


「ねえ、アイリ。煙上がってない?」

「煙……? ううん、そういうのは見えないけど?」


 もう一度車を見た。


「あれ?」


 煙が、消えていた。

 あんなに黒々とモヤがかかっていたのに?


「おっかしいなあ」


 首をかしげながら、アイリと駅に向かった。

 事故が起きた交差点は封鎖されたから、警察の人の誘導に従って迂回する。


「エミリ、危ない!」

「え、なに」


 言い終える前に、アイリに手を引かれた。

 次の瞬間、私が立っていた場所に看板が落ちてくる。


「ひええ」

「エミリ、大丈夫?」

「う、うん。ありがとうアイリ……」

「全然。エミリが無事でよかった!」


 そうやってニコッと笑うアイリは、本当にかっこいい。


「……私、アイリと付き合うわ。すごいかっこよかった」

「残念。私はもう円がいるから」

「残念!」


 駅で分かれて、一人で電車に乗った。

 手元のショッパーがカサカサ音を立てていた。

 ルイとリオンは水着を見てなんて言うだろう。

 少しでもかわいいと思ってもらえたら、いいなあ。


 ……でも、さっきの黒いモヤと、落ちてきた看板は何だったんだろう。