週明け、朝のホームルーム直前にリオンがやってきた。
「おはよう」
「……ああ」
それきり、目も合わせてくれない。
嘘でしょ。
ここまで嫌われた?
「エミリ、真野くんと喧嘩した?」
アコとユウキが目を丸くしている。
それくらいリオンの様子は変だった。
「してない」
「なんか怒らせるようなことした?」
「それは、したかも」
「じゃあ謝んな?」
「うん」
でも声をも生返事ばかりで、全然目も合わせてくれない。
昼休みもすぐにどこかに行ってしまった。
「あれ、リオンどっか行った?」
「ルイ〜」
思わずルイに泣きつくと、彼はパッと腕を広げるので、私は冷静になって椅子に座り直した。
「えっ、なに、どした?」
「リオンに嫌われた……」
「それはねえだろ。じゃあ俺と付き合うってことでいい?」
「よくないよ! 何が「じゃあ」なのさ」
ルイは笑って、私の頭をワシャワシャ撫でた。
大きくて温かい手に安心するのは、前世から変わらない。
「んで? 何があったわけ?」
リオンの席に座って、ルイは私の方に足を伸ばした。ふくらはぎが触れてドキドキする。
止めてくれないかな、ほんと。
「えっと、昨日、勉強を教わってたんだけど……」
一通り説明を終えると、ルイは呆れた顔になってしまった。
「エミリ、そりゃ、リオンが可哀想だろ……」
「えっ、なんで!?」
「好きな女の子のおっぱい見せられて、なんとも思わねえ男はいねえよ」
「えっ、えっと……つまり?」
「リオンは死ぬほど気まずいんだろ。あいつ、むっつりだし。でもまあエミリが申し訳無さそうにしてればその内戻るから。たぶん……」
たぶんかあ。
結局、私のことが、その、好きだから気まずくて避けてるってことでいいのかな?
それなら、ぐいぐい行くより、ルイの言うとおりに大人しく、しおらしくしておこう。
「それより、リオンに見せたなら、俺にも見せてくれ」
「何を?」
聞き返すとルイはニコッと笑って身を乗り出した。
私の座る椅子の背に手をかけて、顔を寄せてくる。
「おっぱい」
「なっ、バカ! えっち! 見せないよ!」
「残念。でもさ、男なんてみんなバカでエッチなんだ。だから、むやみに見せないで、自分のこと大事にして。エミリは俺と……言いたくないけど、あいつの大事な女の子なんだからさ」
そう笑うルイは、腹が立つくらいかっこいい。
ああもう。
ズルいなあ。
「人の席で何をしているんだ」
ルイの後ろから、ムスッとしたリオンが顔を出した。
「お前がエミリ放ったらかしてたから慰めてた」
「ふざけるな馬鹿勇者」
リオンはルイを椅子から退かせると、不機嫌そうな顔のまま、腰を下ろす。
「あの、ごめん」
「エミリは悪くない」
「ううん。その、無神経だった。ごめん」
「いや、僕も……すまない」
「いいよ。事故だよ、事故」
「……ああ」
やっとリオンが笑ってくれた。
ルイは、苦笑なのか、なんなのか。
「ルイもありがと」
「いーえ。ヤダヤダ、魔王に手え貸しちまったよ」
「借りた手はありがたく有効活用させてもらう」
「うるせー、倍にして返せよ!」
ルイとリオンが言い合ってるけど、二人とも笑ってて、私はそのどちらかなんて選べなかった。
「おはよう」
「……ああ」
それきり、目も合わせてくれない。
嘘でしょ。
ここまで嫌われた?
「エミリ、真野くんと喧嘩した?」
アコとユウキが目を丸くしている。
それくらいリオンの様子は変だった。
「してない」
「なんか怒らせるようなことした?」
「それは、したかも」
「じゃあ謝んな?」
「うん」
でも声をも生返事ばかりで、全然目も合わせてくれない。
昼休みもすぐにどこかに行ってしまった。
「あれ、リオンどっか行った?」
「ルイ〜」
思わずルイに泣きつくと、彼はパッと腕を広げるので、私は冷静になって椅子に座り直した。
「えっ、なに、どした?」
「リオンに嫌われた……」
「それはねえだろ。じゃあ俺と付き合うってことでいい?」
「よくないよ! 何が「じゃあ」なのさ」
ルイは笑って、私の頭をワシャワシャ撫でた。
大きくて温かい手に安心するのは、前世から変わらない。
「んで? 何があったわけ?」
リオンの席に座って、ルイは私の方に足を伸ばした。ふくらはぎが触れてドキドキする。
止めてくれないかな、ほんと。
「えっと、昨日、勉強を教わってたんだけど……」
一通り説明を終えると、ルイは呆れた顔になってしまった。
「エミリ、そりゃ、リオンが可哀想だろ……」
「えっ、なんで!?」
「好きな女の子のおっぱい見せられて、なんとも思わねえ男はいねえよ」
「えっ、えっと……つまり?」
「リオンは死ぬほど気まずいんだろ。あいつ、むっつりだし。でもまあエミリが申し訳無さそうにしてればその内戻るから。たぶん……」
たぶんかあ。
結局、私のことが、その、好きだから気まずくて避けてるってことでいいのかな?
それなら、ぐいぐい行くより、ルイの言うとおりに大人しく、しおらしくしておこう。
「それより、リオンに見せたなら、俺にも見せてくれ」
「何を?」
聞き返すとルイはニコッと笑って身を乗り出した。
私の座る椅子の背に手をかけて、顔を寄せてくる。
「おっぱい」
「なっ、バカ! えっち! 見せないよ!」
「残念。でもさ、男なんてみんなバカでエッチなんだ。だから、むやみに見せないで、自分のこと大事にして。エミリは俺と……言いたくないけど、あいつの大事な女の子なんだからさ」
そう笑うルイは、腹が立つくらいかっこいい。
ああもう。
ズルいなあ。
「人の席で何をしているんだ」
ルイの後ろから、ムスッとしたリオンが顔を出した。
「お前がエミリ放ったらかしてたから慰めてた」
「ふざけるな馬鹿勇者」
リオンはルイを椅子から退かせると、不機嫌そうな顔のまま、腰を下ろす。
「あの、ごめん」
「エミリは悪くない」
「ううん。その、無神経だった。ごめん」
「いや、僕も……すまない」
「いいよ。事故だよ、事故」
「……ああ」
やっとリオンが笑ってくれた。
ルイは、苦笑なのか、なんなのか。
「ルイもありがと」
「いーえ。ヤダヤダ、魔王に手え貸しちまったよ」
「借りた手はありがたく有効活用させてもらう」
「うるせー、倍にして返せよ!」
ルイとリオンが言い合ってるけど、二人とも笑ってて、私はそのどちらかなんて選べなかった。



