転生聖女〜現代日本に転生したら、勇者と魔王も同じクラスだったのでクラス替えお願いします

 休みの日、私は半泣きで勉強していた。

 ああん、わからない。

 難しい。

 エミリの頭は別に悪くない(たぶん)。

 成績は真ん中くらいのはずだ。

 なのにこんなにメソメソしながら勉強しているのは、たんに目指すところが上過ぎるからだ。


「無理だよ~」


 なにしろリオンは成績がいい。

 だって入学式の時に新入生代表挨拶してたし。

 それもう、もう一個ランクが上の学校行きなよ! ってくらい、頭がいい。

 教えてくれるのもわかりやすいし。


「……そうだ、教えてもらおう」


 そうだそうだ、そうしよう。

 教えてもらって、それでリオンよりいい点数取ってやろうじゃん!

 スマホを取り出してリオンの名前をタップすると、すぐに声が聞こえた。


『どうした?』

「勉強教えてよ」

『かまわない。迎えに行こうか?』

「ビデオ通話で」

『わかった』


 画面を切り替えると、リオンが映った。


「あれ、メガネしてる」

『家だからな。エミリは……いや、いい。何がわからないんだ?』

「えっとねー」


 そのまま一時間ほど通話を続けて、なんとかさっきよりは理解できた気がする。

 でも気になるのはリオンとあまり目が合わないところだ。


「リオン、何か気になることでもあるの? なんか、そわそわしてない?」

『あー……、怒らないで聞いてほしいのだが』

「えっ、なに?」

『エミリの服……その、胸元が、ゆるくて、だな』


 胸元?

 視線を下げる。


「あっ、ごめん!!」


 油断してた。

 休みの日だったから、薄手のカップ付きキャミソールだけだった。

 いや、下はスカートはいてるけど、それはそれ。

 キャミソールだけで、しかも屈んで勉強してたから、薄っぺらい胸の中がたぶんリオンからは全部見えてた……!


「お見苦しいものをお見せしました……ほんと、ごめん……」

『いた、僕の方こそ、早めに言うべきだった。すまん』

「や、言いづらいでしょ。でも、教えてくれてありがと」

『いや……礼を言われることではない。えっと、他にわからないことはあるか?』

「大丈夫。ありがとう」

『……ああ』


 最後まで目を反らしたまま、リオンは通話を切ってしまった。

 もう少しおしゃべりするかと思ったんだけど……。

 だらしなくて、嫌になったのかも。

 反省。

 いや、別にいいでしょ、好かれて困ってたんだし。

 ……でも、呆れられたくはないんだよねえ。

 うーん。