転生聖女〜現代日本に転生したら、勇者と魔王も同じクラスだったのでクラス替えお願いします

 翌朝登校したら、ルイがへばりついてきた。


「重いけど」

「昨日の放課後、リオンと図書室にいた?」

「うん、勉強教わってた」

「ずるい。俺ともデートしてよ」

「したじゃん。ていうかデートじゃないよ。試験前だから勉強してたんの」


 ルイをバシバシ叩いて退いてもらう。

 まだムスッとしてるけど、ルイは手を解く。


「もー、それならルイも勉強すればいいよ」

「う……そうだけどさ」

「ルイだってあんまり成績悪いと困るでしょ」

「わかったよ。でも魔王に教わるのはなーっ」


 ルイは腕を組んで首を捻った。

 元勇者として、その気持ちは分からなくはないんだけど。


「教わらなくても、近くに座ってればいいんじゃない?」

「うん。三十分おきに頭撫でて」

「えー、まあ、それくらいならいいか」

「十分おきにハグして」

「しない」

「ちえー」


 やっぱり膨れたまま、ルイはまたのしかかってくる。

 もしかして、これ、ハグのつもりだったのかな?

 手を伸ばして頭を撫でると、ルイはニコニコしながら頭を手にすり寄せてくる。

 これは、大型犬みたいでかわいいかも。


「おい、離れろ」


 後ろから低い声が聞こえた。

 ルイが重たくて顔を動かせないけど、リオンかな。


「うっせ。お前は昨日エミリのこと一人占めしてただろー」

「一緒に勉強していただけだ」

「俺もするよ」

「邪魔だといいたいが、馬鹿勇者を見捨てるのも後味が悪いからな。しかし、それはそれ。エミリから離れろ」


 腕を引かれてルイから引き剥がされた。

 ルイは「じゃあ、放課後な!」と笑って席に向かう。


「おはよ、リオン」

「ああ、おはよう」


 リオンはムスッとして席についた。

 もしかして、リオンも頭なでてほしかったりするのかな?

 いや、してほしいって言ってないのにするのは、変だよね。

 撫でていいか聞くのも変だし。前の席に体を乗り出した。


「ねえ、ユウキ。リオンの頭撫でていいと思う?」

「いいんじゃない?」

「それは僕に聞いてくれ」


 席に座りながら聞くと、リオンが振り向いた。


「いきなり聞いたら変じゃん」

「乃々木に聞く方が変だろう」

「撫でていい?」

「いくらでも」


 リオンが頭を私の方に傾けた。

 ……かわいいなあ。

 手を伸ばしてさらさらの髪に触れた。

 指が髪を梳いて、ちょっと男の子っぽい匂いがして、キュンとする。


「止められなくなるから、おしまいにしとく」

「止めなくていいが?」


 顔がいい。

 ほんと、延々と甘やかしてくるから、私の自制心が試されてる。