転生聖女〜現代日本に転生したら、勇者と魔王も同じクラスだったのでクラス替えお願いします

 期末試験まであと一月ほど。

 魔王城攻略最短ルートとかなら満点取れるのになあ。


「そうだったとしても、城主の僕の方が高得点だろうな」

「それはそう」


 昼休みに、さっき帰ってきた小テストを見てため息をついた。


「んだよ、エミリ。勉強ダメなん?」

「普通……の範疇……」


 半笑いのルイだけど、手元の小テストは半分も点が取れていない。

 私も六割くらいだから全然笑えない。

 アコとユウキは八割くらいで余裕そう。


「リオンどう? うわー……」

「授業で教わったことしか出てないだろう?」


 キョトンとするリオンの小テストは満点。

 頭いいんだな。


「リオン、普段どんな勉強してるの?」

「復習と予習」

「あっ、ちゃんと勉強してる人だ」

「まー、リオンって元からねちっこいだろ、やり方が」


 鼻で笑うルイにリオンが唇を尖らせた。


「お前が脳筋なだけだ。と言いたいが、僕は保有魔力量もさほど多くなかったし、筋力もないから、戦い方を考える必要があったんだ」

「お前、魔力量、多いって言ってなかったっけ?」

「人間としてはな。しかし人間の比ではない魔力量の魔族を束ねる必要があったから」

「苦労してきたんだねえ」

「僕が死ぬまで労り続けてほしい」

「いきなり図々しくなったなあ」


 背の高いリオンが甘えると、ギャップでかわいいから困る。

 ちょっとくらいなら、よしよししてもいいんじゃないかな?


「それなら俺も労ってほしいですけど!? エミリ、頭撫でて」

「えっ、えっと、こう?」


 いきなり頭を差し出されて、つい手を伸ばしてしまう。

 ルイの髪は短くてツンツンしてるけど、見た目通り、ちょっと硬い。

 ていうか、ワックスでべたべたする。


「なんでいきなり?」

「昨日、有罪判決くらったから、エミリからちょっとずつ触るのになれてもらおうかなって」

「手え洗ってくる」

「待って、待って!」

「僕も撫でてくれ」


 離しかけた手首をルイに掴まれて逃げられない。

 反対の手でリオンの頭を撫でると、こっちはさらさらで、なんで私よりさらさらすべすべなんですかね?

 つい二人の頭を撫でていたら、アコが呆れた顔をしていた。


「ハーレムっていうより、猛獣使いみあるよね」

「どっちかって言うとトレーナー」

「トレーナー!?」


 それはポケ○ントレーナー的な?

 魔王と勇者を使役できたら強いだろうけど、私は何と戦わされるんだ。


「僕の妻が馬鹿なのは困る」


 リオンがいきなり顔を上げた。


「一緒に勉強しよう」

「それは助かるけど」

「じゃあ、放課後は図書室行こう」

「わかった」


 確かに、高校入って最初の試験で、いきなり酷い成績をさらしたくはない。

 この中で一番成績の低いルイはいつのまにか寝ている。

 少なくとも、ルイより低い点は嫌だ。


「リオン、よろしくお願いします」

「ああ。魔王の名にかけてエミリの成績を上げて、魔族も認める僕の妻にする」

「待って、なんか違う話になってる!」

「他人の能力を伸ばすのは得意なんだ。任せてくれ」

「やっぱなしで!!」


 リオンはニコッと微笑んだ。

 なんか、余計なこと言っちゃったなあ。