蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

世界が終わる音がした。

蒼光のルーヴェル王都
――かつて魔術と叡智の都と讃えられた城郭が、
燃え落ちていく。
夜空を染めるのは炎ではなく、
アーゼンハイト帝国の呪術兵団が放つ黒い閃光だった。

騎士団本陣は壊滅。
誇り高き守護騎士たちは次々と倒れ、
最後に残ったのは、
第一騎士である――セドリクス、ただ一人。

その腕の中で震えていたのは、愛する姫。
彼女を抱きしめることが許されたのは、
この瞬間だけだった。