雨の王妃 ~私を押しのけて自分が聖女だと言ったくせに、失敗したら、生贄になると聞いた途端、私が聖女だと言ってきました~

「高校に入った途端、急にイベント、雨続きになったなと思ったんですよ」

 ――それにしても、麻田さん、見るからに晴れ女っぽいのに意外だ。
 ちなみに、こう見えて、うちの学校に入っているのだから、たぶん、頭もいい。

 そして、私は麻田さんが言うように晴れ女だが、今のところ、彼女の雨女っぷりに押し負けているっ!

「晴れ女の名折れと思っていたのですが。……秋の体育祭で勝負ですっ」
「あんた、ここから帰れると思ってるの? 私よりポジティブね」
とリラに言われる。

 確かに。
 ここから帰れないかもしれないことを想定し、ここでいい暮らしをするにはどうしたらいいのか即座に考える彼女の順応力はすごいと思う。

「あの」
と龍美は王に話しかけた。

「なんだ?」
 聖女をお譲りするのは構わないのだが、気になることがある。
 そう龍美は思っていた。

「聖女じゃなかったからどうなるんですか?」
「そうだな。この国にはいらないな」

 放り出されても困るっ。
 はいはいはいっ、と二人は手を挙げた。

「私が聖女ですっ」
「私が聖女ですっ」

「なに言ってんの、私よっ」
「聖女でないなら、路頭に迷うとなれば引けませんっ」

 やかましいっ、と結局、二人とも牢屋にぶち込まれてしまった。