雨の王妃 ~私を押しのけて自分が聖女だと言ったくせに、失敗したら、生贄になると聞いた途端、私が聖女だと言ってきました~

「神官たちよ、どうなった?」
 凛々しい王が現れた。

 黒髪で長髪だ。
 現代日本なら妙な感じだろうが。

 古代エジプトのような扮装の人ばかりなので、その髪型も違和感なく美しい。

「やだっ、イケメンッ」
 そういえば、麻田リラは、あんまり学校来ないけど、来たら男子とチャラチャラしていると、まあちゃんが言ってたな、
と龍美は思う。

「申し訳ございません、王よ。
 何故か聖女が二人も現れまして」

「この国の聖女は常に一人だ。
 どちらかが偽物に違いない」

「はいっ、偽物と言えば、彼女ですっ」
とリラが両手で龍美を指し示す。

 龍美は、そこはスルーし、
「はい」
と手を挙げて質問した。

「あの、何故、聖女は一人と決まっているのですか?」