雨の王妃 ~私を押しのけて自分が聖女だと言ったくせに、失敗したら、生贄になると聞いた途端、私が聖女だと言ってきました~

 濡れても帰るか、と龍美が足を踏み出しかけたとき、リラが、
「ちょっと」
と声をかけてきた。

「まだ降ってるじゃない。
 もうちょっと待ちなさいよ。

 もうすぐ止むわよ。
 私、そういうのわかるのよ」

「えっ? そうなんですか?
 じゃあ待ちます」

「……素直ね」

「あの、ついでに中に入りませんか?
 ここ飛沫(しぶき)が飛んでくるから」

 ちょっと微笑みを浮かべて、ガラス扉に手をかけたとき、バーンッと手から衝撃が伝わった。

 目の前が真っ白になる。

 なに? 雷!?
 思わず尻餅をつき、目を開けたときには――。