君のとなりで、恋をする

──体育館。


放課後、マネージャーとしての仕事に戻っても、鼓動は完全には元に戻らない。

タオルを並べていると、背後からひそひそ声が聞こえてきた。


「昨日さ……結城先輩、長谷川に……」

「頭ポンだろ? あれ、ガチっぽくね?」

「うわ、見てた見てた!」


笑いを含んだ声、驚いた声、面白がる声。

視線がちらちら向けられるのを感じて、思わず俯いた。

喉が渇いて、水筒の冷たさをぎゅっと握る。

胸がきゅっと縮んで、呼吸が浅くなる。

耳まで熱くなって、タオルを並べる手が微かに震えた。


(違う、あれは、その……たまたまで……)


言い訳が頭の中で空回りする。

けれど、うまく言葉にはできなくて、ただ黙って仕事を続けるしかなかった。

目の前のタオルの白が、やけに滲んで見えた。