君のとなりで、恋をする

──少し離れた場所。


大和は立ち尽くしていた。

手に持っていたボトルケースを握りしめる指先に、余計な力がこもる。

胸の奥に広がったのは、焦りとも苛立ちとも言えない感情だった。

さっきまでただのちょっとしたハプニングだったはずの光景が、一瞬で意味を変えてしまったような気がする。


(……なんで、俺じゃなくて……)


本当なら駆け寄って、笑って拾って、いつもみたいに、さりげなく助けることができたはずなのに。

気づいたときには、もう結城さんの手が伸びていた。

唇を噛んでも、その思いは消えなかった。