君のとなりで、恋をする

──放課後。


体育館の倉庫へ向かう廊下。

私は両腕で大きなダンボールを抱えていた。

視界のほとんどが段ボールでふさがれて、足元は頼りない勘だけ。

それでも「大丈夫、大丈夫」と心の中で繰り返しながら、一歩ずつ進む。


「よいしょ……あと少し……」


そう呟いた瞬間、段ボールの底がぐらりと傾いた。

バランスを崩した足が、ほんの少し床の段差にひっかかる。


(わ、ど、どうしよう――)


つまずいた拍子に、腕の支えが外れた。


「わ、わぁっ!」


制服の袖が宙を切り、箱の中身が一気に飛び出す。

ノート、ビブス、練習着、テーピング、雑巾――色んなものが床いっぱいに散らばった。

しゃがみ込んで、慌てて拾おうと手を伸ばす。

けれど焦りすぎて、掴み損ねたノートを自分でさらに遠くへ滑らせてしまった。

視線が痛いほど突き刺さる気がして、顔がじわりと熱くなる。