君のとなりで、恋をする

「結城さんってさ、俺らが必死にやってても、なんか涼しい顔してんだよな。反則っすよ」


大和くんが軽口を叩くと、美月先輩が笑って頷いた。


「ふふっ、わかる。昔からそうなの。余裕あるように見えるけど、実はちゃんと考えてるんだよ」

「やめろ、美月」


結城先輩は小さく返した。

声は低いけれど、どこか照れ隠しのようでもあった。

幼なじみ同士だからこその自然な空気。

そのやりとりを見ているだけで、胸の奥がまたざわめいた。

大和くんの明るさも、莉子の落ち着きも、確かに私を和ませてくれる。

けれど結城先輩の存在だけは――どうしても息を詰まらせてしまう。


(……なんで、こんなに気になるんだろう)


昼休みのざわめきの中、交差する視線や言葉。

ほんの短い時間なのに、心は落ち着く場所を見つけられず、揺れ続けていた。

──胸のざわめきは、午後になってもずっと消えなかった。



──