「ていうか、これ……なに!? マンションどこいっちゃったの……? わたしが間違っておぼえてた?」
「落ち着いて。凛花はなにも間違ってないから大丈夫」
透くんは、一緒に実行委員をやったときと変わらず、淡々としていた。
「今日のかき氷、《《日向夏シロップ》》にしただろ?」
「ひゅうがなつ……あっ! にっこうなつのこと!? ……そう読むんだ!」
自分で声に出してから気づいた。
——しっぱいした、堂々と読めなかったって言っちゃった。
「初めて見たら読めないのも無理はないよ」
透くんが、いつもの落ち着いた声でさらっとフォローしてくれる。
……優しい。でも、余計に恥ずかしくなってきた。
「そのかき氷を食べると——30年前に戻るんだよ」
「……はい?」
「君は今、1995年の夏にいる。30年前にタイムリープしたってこと」
「………………へ?」
思わず、スマホを取り出して日付を確認しようとしたわたしを見て、透くんが言った。
「……やめといた方がいい。この時代では、スマホは目立つから」
「えっ、あ、うん……そうだよね。まだガラケー?の時代だもんね……」
スマホをあわててポケットにしまいながら、ようやくこの場所がわたしの知ってる場所とは違う世界だと、じわじわ実感してきた。
情報量がいきなり多すぎる。
「ちょ、ちょっと待って!? タイムリープって、ドラマとか映画で見るやつでしょ!? わたしそんな、つもりじゃ……! かき氷食べただけだし……!」
「俺も、君がここに来られるとは思ってなかった」
「えっ?」
「これができるの、今までは俺だけだった。……同じことができる人に会ったのは、初めてだ」
透くんの目が、ほんの少しだけ揺れた。
でも、声のトーンは変わらない。クールで、静かで。
「……もしかしたら、《《何か意味がある》》のかもな」
「わたしが透くんと同じことができる? でも、なんで……」
「わからない……だから、それを調べよう」
「え?」
「俺にとっては、タイムリープってもう日常なんだ。夏の行事みたいなもの。
でも——ふたりとも同じ力を持ってる理由は気になる。だから凛花、一緒に調べてみないか?」
突然の透くんの提案に、わたしの心は――飛び上がった!
だって、それはつまり――
「落ち着いて。凛花はなにも間違ってないから大丈夫」
透くんは、一緒に実行委員をやったときと変わらず、淡々としていた。
「今日のかき氷、《《日向夏シロップ》》にしただろ?」
「ひゅうがなつ……あっ! にっこうなつのこと!? ……そう読むんだ!」
自分で声に出してから気づいた。
——しっぱいした、堂々と読めなかったって言っちゃった。
「初めて見たら読めないのも無理はないよ」
透くんが、いつもの落ち着いた声でさらっとフォローしてくれる。
……優しい。でも、余計に恥ずかしくなってきた。
「そのかき氷を食べると——30年前に戻るんだよ」
「……はい?」
「君は今、1995年の夏にいる。30年前にタイムリープしたってこと」
「………………へ?」
思わず、スマホを取り出して日付を確認しようとしたわたしを見て、透くんが言った。
「……やめといた方がいい。この時代では、スマホは目立つから」
「えっ、あ、うん……そうだよね。まだガラケー?の時代だもんね……」
スマホをあわててポケットにしまいながら、ようやくこの場所がわたしの知ってる場所とは違う世界だと、じわじわ実感してきた。
情報量がいきなり多すぎる。
「ちょ、ちょっと待って!? タイムリープって、ドラマとか映画で見るやつでしょ!? わたしそんな、つもりじゃ……! かき氷食べただけだし……!」
「俺も、君がここに来られるとは思ってなかった」
「えっ?」
「これができるの、今までは俺だけだった。……同じことができる人に会ったのは、初めてだ」
透くんの目が、ほんの少しだけ揺れた。
でも、声のトーンは変わらない。クールで、静かで。
「……もしかしたら、《《何か意味がある》》のかもな」
「わたしが透くんと同じことができる? でも、なんで……」
「わからない……だから、それを調べよう」
「え?」
「俺にとっては、タイムリープってもう日常なんだ。夏の行事みたいなもの。
でも——ふたりとも同じ力を持ってる理由は気になる。だから凛花、一緒に調べてみないか?」
突然の透くんの提案に、わたしの心は――飛び上がった!
だって、それはつまり――
