水色に混ざる夏

そのまま夏休みが終わり、学校が始まった。

クラスメイトに透くんの話をしても、誰も覚えていない。

「蒼木 透? 誰それ?」

クラスメイトのその反応に、わたしの身体は固まった。

「え……同じクラスだったよね? わたし、体育祭の実行委員で一緒になって……」

「なにそれ、夢? もしかして……イマジナリー彼氏?」
「実行委員って、凛花がひとりでやって大変だったでしょ?」

みんなは、わたしが夏休み中に仕込んできた、冗談だと思って笑ってくれた。
そんな流れになったから、仕方なく作り笑いをして、話を合わせた。

「……うん、そうかもね。暑さで…幸せな夢をみてたのかも!」

本当に思ってなくても、夢だって言ったら、心の奥がズキッと痛んだ。
透くんに、申し訳ない気持ちになった。