今日は透くんと陽岬駅で待ち合わせして、一駅乗ればもう南渚海岸駅。
こんなに近くにある海だけど、女の子同士だと海水浴には行かなかったから、すごく久しぶりの海なのに加えて――今日は透くんとふたりきり。
ソワソワ、ドキドキしながら、海の家で着替えて、荷物を預けて――浜辺に向かった。
駅を降りたときから感じていた潮の香りが、浜辺に近づくほど濃くなって、肌に小さな塩の粒を感じるくらい。
眼の前に広がるのは、どこまでも続く青い海。波がキラキラと光って、眩しいくらい綺麗なのに……その広さにちょっと圧倒される。
「……凛花、それ、暑くない?」
「い、いいの! 日焼け対策だし!」
ほんとは水着、凄く悩んで、可愛いの買ったんだけど。
着替えたとき、自分で見て「悪くないかも」って思ったけど。
でも、透くんの前で水着姿になるのは、やっぱりムリだった。
(見られたいなんて思ってるわけじゃ……ない。いや、少しはある、かも)
そんなことを思いながら、ラッシュガードの袖をギュッと握った。
でも。
海に入って、バシャバシャ水をかけ合って、砂に足を取られて笑って。
「もう……いいやっ!」
とうとうラッシュガードを脱ぎ捨てた。
「……せっかく買ったんだし、ちょっとだけ見せてあげるんだからっ」
心の中でそう叫んで、思いっきり泳いだ。
透くんが、それに気づいてたとは思わないけど、なんだか、わかっていてくれているような気がして、何も言わなかったのが優しさに思えた。でも――
「かわいい」って、ぽつりと言った声が聞こえた気がした。
……今日もかわいいって、思って貰えたのかな?
本当のことはわからないけど、空耳のように聞こえたその言葉だけで、勇気を出してよかったって思えた。
こんなに近くにある海だけど、女の子同士だと海水浴には行かなかったから、すごく久しぶりの海なのに加えて――今日は透くんとふたりきり。
ソワソワ、ドキドキしながら、海の家で着替えて、荷物を預けて――浜辺に向かった。
駅を降りたときから感じていた潮の香りが、浜辺に近づくほど濃くなって、肌に小さな塩の粒を感じるくらい。
眼の前に広がるのは、どこまでも続く青い海。波がキラキラと光って、眩しいくらい綺麗なのに……その広さにちょっと圧倒される。
「……凛花、それ、暑くない?」
「い、いいの! 日焼け対策だし!」
ほんとは水着、凄く悩んで、可愛いの買ったんだけど。
着替えたとき、自分で見て「悪くないかも」って思ったけど。
でも、透くんの前で水着姿になるのは、やっぱりムリだった。
(見られたいなんて思ってるわけじゃ……ない。いや、少しはある、かも)
そんなことを思いながら、ラッシュガードの袖をギュッと握った。
でも。
海に入って、バシャバシャ水をかけ合って、砂に足を取られて笑って。
「もう……いいやっ!」
とうとうラッシュガードを脱ぎ捨てた。
「……せっかく買ったんだし、ちょっとだけ見せてあげるんだからっ」
心の中でそう叫んで、思いっきり泳いだ。
透くんが、それに気づいてたとは思わないけど、なんだか、わかっていてくれているような気がして、何も言わなかったのが優しさに思えた。でも――
「かわいい」って、ぽつりと言った声が聞こえた気がした。
……今日もかわいいって、思って貰えたのかな?
本当のことはわからないけど、空耳のように聞こえたその言葉だけで、勇気を出してよかったって思えた。
