水色に混ざる夏

「どうかな……変じゃない?」

浴衣姿で駄菓子屋を訪れた私は、やっぱり恥ずかしくて、まだソワソワしていた。

「似合ってる。……かわいい」

透くんはさらっとそう言って、微笑んだ。

しかも——

「自分で言い出したんだから、ちゃんと着てこないとな」

そう言って、透くんまで浴衣姿だった。普段よりも少しだけ大人っぽく見えて、思わずドキッとしてしまう。

「ずるい……こっちの心臓の準備ができてないのに……」

つい口に出してしまって、わたしは耳まで赤くなる。

「……そんなつもりじゃなかったけど。効果あった?」

……うぅ、やっぱりずるい。
ちょっと見るだけでドキドキして、まともに顔も見られないのに——

それでも、浴衣姿の透くんが目の前にいるってだけで、なんかすっごくうれしくて。
わたしの為に着て来てくれたって……思ってもいいのかな。