黎明の麒麟ー凌暁と雪蘭の伝説ー

しばらくして、
凌暁は静かに雪蘭の手を取った。
「……麒麟が国を守ってくれるのなら……私たちがすべきことはただ一つだ。」

雪蘭は小さく頷く。
「蓮音さまを止めて……この呪いを解く。そして霜華を平和に戻す……それだけです。」
凌暁は雪蘭の手を強く握り、
力強く言った。
「行こう、雪蘭。麒麟が導いてくれた道だ。私たちは必ず――生きて帰る。」
二人はしっかりと手を取り合い、
深い霧に包まれた天啓の境界線を踏み越えた。

その瞬間――
聖域の空気が二人を包み、
まばゆい光が道を照らした。

天啓、再突入。
蓮音との最終対決が、いよいよ始まる――。