璃月の発言は嘘に違いない。
だがそれを証明する確たる証拠がない。
凌暁は一旦深呼吸し、冷徹に言い渡す。
「雪蘭への接近禁止を言い渡す。事件が解決するまで自宅で謹慎していろ。もし破れば、尚麗としての地位も剥奪するからな。」
未だかつて誰も見たことがない
凌暁の怒りの迫力に、
璃月は小さく震え、
深く頭を下げるしかなかった。

璃月が退席したあと、
凌暁は雪蘭の手を取って腰を下ろし、
彼女をそっと抱き寄せる。
「雪蘭……怖がらせてすまない。だが、もう大丈夫だ。」
雪蘭は不安げに顔を上げる。
「私が麒麟の加護を得てしまったために……命まで狙われるなんて……」
凌暁は優しく額を雪蘭に寄せ、耳元で囁く。
「だからこそ、俺の側から絶対に離さない。どんなことがあっても、雪蘭を一人にはしない。」
雪蘭はその言葉に胸がいっぱいになり、
自然と涙がこぼれる。

凌暁はその頬を指で拭い、柔らかく唇を重ねた。
「俺の全てをかけて……守る。」
雪蘭も目を閉じ、震える声で答える。
「私も……凌暁さまと共に……」

そして、雪蘭の耳元に再び唇を寄せ、
甘く長い誓いのキスを交わす。
凌暁の腕に抱かれ、
雪蘭は深く息をつき、安心した表情で眠りについた。