蓮音は霜華宮の離宮で璃月と静かに対面した。
実は蓮音と璃月は遠い親戚なのだ。
親しい間柄ではないが、
元よりお互いを認識していた。
対面する二人は
互いに口元に笑みを浮かべているが、
その奥は黒い感情で濁っている。
「蓮音さま。お越しくださり光栄ですわ。」
「ええ。あなたと話すべきことがありましたから。」
蓮音の言葉に、
璃月は愉しげに唇をゆがめる。
「雪蘭……最近、妙に顔色が悪いの。貴女が渡した護符、かなり効いているようですわ。」
蓮音の眉がかすかに動く。
「そう……では、そろそろ“引き金”を引く頃合いね。」
璃月は弾む声で答えた。
「雪蘭はね、凌暁さまのことになると心が乱れるの。嫉妬も不安も全部、彼女の霊力に響くみたい。」
蓮音の瞳に光が宿る。
「ならば……見せつければいい。あなたが誰よりも凌暁に相応しい女だと。」
璃月の頬が桃色に染まり、うっとりと息を吐く。
「ええ。雪蘭の目の前で……“寄り添って”みせるわ。」
蓮音は満足げに頷いた。
「霊力が乱れれば、護符がそれを増幅する。暴走すれば──すべてあなたに都合よく動くでしょう。」
璃月は恍惚と笑う。
「ええ。あの女は、自分の力で身を滅ぼすのよ。」
実は蓮音と璃月は遠い親戚なのだ。
親しい間柄ではないが、
元よりお互いを認識していた。
対面する二人は
互いに口元に笑みを浮かべているが、
その奥は黒い感情で濁っている。
「蓮音さま。お越しくださり光栄ですわ。」
「ええ。あなたと話すべきことがありましたから。」
蓮音の言葉に、
璃月は愉しげに唇をゆがめる。
「雪蘭……最近、妙に顔色が悪いの。貴女が渡した護符、かなり効いているようですわ。」
蓮音の眉がかすかに動く。
「そう……では、そろそろ“引き金”を引く頃合いね。」
璃月は弾む声で答えた。
「雪蘭はね、凌暁さまのことになると心が乱れるの。嫉妬も不安も全部、彼女の霊力に響くみたい。」
蓮音の瞳に光が宿る。
「ならば……見せつければいい。あなたが誰よりも凌暁に相応しい女だと。」
璃月の頬が桃色に染まり、うっとりと息を吐く。
「ええ。雪蘭の目の前で……“寄り添って”みせるわ。」
蓮音は満足げに頷いた。
「霊力が乱れれば、護符がそれを増幅する。暴走すれば──すべてあなたに都合よく動くでしょう。」
璃月は恍惚と笑う。
「ええ。あの女は、自分の力で身を滅ぼすのよ。」



