黎明の麒麟ー凌暁と雪蘭の伝説ー

濃密な時間のあと、
雪蘭が疲れたように息を整えていると、
凌暁は彼女を腕の中に包み込み、髪を梳く。

「無理はしていないか。」
「はい……。大丈夫です。凌暁が……優しいから。」
凌暁は胸の奥が熱くなるのを感じた。
「雪蘭……そなたのすべてが、愛しい。」
その熱のこもった声に、
雪蘭は胸いっぱいの幸福を感じて、
彼に寄り添う。
「……わたしも、凌暁が好きです。」

静かな寝所には、
互いの息づかいだけが甘く溶けていた。