雪蘭の部屋の前に立つ。
扉越しに微かな気配。
泣いている……?
凌暁の胸が詰まった。
そっと扉を開けると、
雪蘭は灯りを落とし、
膝を抱えて座っていた。
「……雪蘭。」
呼ぶ声が震えた。
雪蘭は驚いて顔を上げたが、すぐに目をそらし、
涙を拭った。
「申し訳ございません……凌暁さま。私……不満を抱いてはならぬと分かっておりますのに……」
凌暁はゆっくり近づき、
彼女の肩に触れた。
今度は、手を引っ込めなかった。
「不満ではない。雪蘭……そなたが悲しむなど、考えもしなかった。すべては……私の弱さだ。」
「弱さ……?」
凌暁は膝をつき、
雪蘭と同じ高さに目線を合わせた。
「そなたを失うかもしれぬと……怖かった。霊力が弱まれば、苦しむのではないかと。だから……触れられなかった。」
雪蘭の瞳が揺れた。
「……凌暁さま。私は……あなたに触れられなくて、それが……一番苦しかったのです……」
その瞬間、凌暁の理性が音を立てて崩れた。
(そんな顔を……するな。)
「雪蘭……」
彼はそっと頬に触れ、
ゆっくりと――
震えるように唇を重ねた。
扉越しに微かな気配。
泣いている……?
凌暁の胸が詰まった。
そっと扉を開けると、
雪蘭は灯りを落とし、
膝を抱えて座っていた。
「……雪蘭。」
呼ぶ声が震えた。
雪蘭は驚いて顔を上げたが、すぐに目をそらし、
涙を拭った。
「申し訳ございません……凌暁さま。私……不満を抱いてはならぬと分かっておりますのに……」
凌暁はゆっくり近づき、
彼女の肩に触れた。
今度は、手を引っ込めなかった。
「不満ではない。雪蘭……そなたが悲しむなど、考えもしなかった。すべては……私の弱さだ。」
「弱さ……?」
凌暁は膝をつき、
雪蘭と同じ高さに目線を合わせた。
「そなたを失うかもしれぬと……怖かった。霊力が弱まれば、苦しむのではないかと。だから……触れられなかった。」
雪蘭の瞳が揺れた。
「……凌暁さま。私は……あなたに触れられなくて、それが……一番苦しかったのです……」
その瞬間、凌暁の理性が音を立てて崩れた。
(そんな顔を……するな。)
「雪蘭……」
彼はそっと頬に触れ、
ゆっくりと――
震えるように唇を重ねた。



