国境近くまで攻め込まれたはずの国は、
驚くほど静かだった。
都の空気はどこか安堵しており、
敗戦ムードなど微塵もない。
宰相は凌暁を見るなり、
まるで宝物を取り戻したかのように目を輝かせた。
「よくぞご無事で!ぜひ聞いていただきたい話があるのです!」
宰相の話はこうだ。
敵軍が国境を越えようとした時、
空が裂けるような音がした。
すると突如、巨大な雷雲が現れ、無数の雷が落ちた。
だが、当たったのは敵軍だけ。
雷により敵は退却せざるを得なくなり、
霜華国は守られた。
「麒麟様が我らを守ってくださったに違いありません!」
興奮して喋る宰相の声は震えていた。
そして――
霜華国を攻めた三つの国でも
“異変”が起きていたのだった。
驚くほど静かだった。
都の空気はどこか安堵しており、
敗戦ムードなど微塵もない。
宰相は凌暁を見るなり、
まるで宝物を取り戻したかのように目を輝かせた。
「よくぞご無事で!ぜひ聞いていただきたい話があるのです!」
宰相の話はこうだ。
敵軍が国境を越えようとした時、
空が裂けるような音がした。
すると突如、巨大な雷雲が現れ、無数の雷が落ちた。
だが、当たったのは敵軍だけ。
雷により敵は退却せざるを得なくなり、
霜華国は守られた。
「麒麟様が我らを守ってくださったに違いありません!」
興奮して喋る宰相の声は震えていた。
そして――
霜華国を攻めた三つの国でも
“異変”が起きていたのだった。



