真実の儀から数日後。

凌暁、雪蘭、
そして生き残った僅かな神官たちは
真実の儀で命を落とした者たちの埋葬を行っていた。

「……彼らもまた、犠牲者だったのだな。」
凌暁の声は静かで、
どこか哀悼に満ちていた。
雪蘭は手を合わせ、祈る。
「穢れを纏ってしまっても……皆、かつては神に仕える心を持っていました。どうか安らかに。」

埋葬を終えた後、
残った神官たちが膝をつき、
凌暁と雪蘭に誓う。
「もう二度と、あのような腐敗は許しませぬ。
　共に“清らかなる天啓”を創り直しましょう。」

その瞬間。
風が静かに揺れ、光が集まった。
五つの気配が神殿に満ちる。

天空から舞い降りる朱雀
渓流の奥から歩み出る玄武
木々の間から優雅に現れる青龍
光の粒として弾ける白虎
そして、雪のような光の中で佇む麒麟

神官たちは恐怖し、震えた。
「ご、五幻獣……！直接姿をお見せになるとは……！」

凌暁と雪蘭は穏やかに微笑み、頭を下げた。
「助けてくださり、ありがとうございました。」

麒麟が答える。
「我らもまた礼を言いたかったのだ。長くこの地を覆っていた穢れ……お前たちが払ってくれた。」

突然、玄武が雪蘭に歩み寄った。
大きな甲羅の亀の形。
だがその瞳はどこか懐かしげだった。

雪蘭は問う。
「どうして……私に力を貸してくださったのですか？」

玄武はゆっくりと語り始めた。