神官たちに案内され、
奥宮へ向かう参道を進んだ。
空気が鋭く、冷たく、
まるでひとつの巨大な意志が
二人を試しているようだった。

奥宮の前に立つ巨大な神門が、
低いうなり声を響かせた。
神官が両手を掲げ、古代語で祈りを捧げる。
「天よ、真実なる者を通し給え……!」

ごぉぉん……!!!

門が震え、白い光が裂けるように開いた。
その奥、闇の中で——
蓮音が待っていた。
乱れた髪、荒れた霊気の濁り。
瞳は狂気と絶望と執念で燃えていた。
「来たのですね……雪蘭。あなたさえ……あなたさえいなければ……!」
蓮音の背後で、黒い呪詛の霧が渦巻き、
天啓そのものが悲鳴をあげる。

凌暁は雪蘭を守るように前へ立ち、
刀を抜いた。
「蓮音……もう終わりだ。これ以上、雪蘭を傷つけさせはしない。」
雪蘭も蓮音を真っ直ぐに見つめた。
「わたしは……逃げません。天啓を、守ります。」

空気が震える。
蓮音が狂気に笑い、呪詛が吹き荒れる。
「ならば来い!!最後の巫女の座、どちらが相応しいか——ここで証明してみせよ!!!」
奥宮が光と闇に裂け、
三者の運命が激突するその瞬間——

天啓最終決戦が幕を開けた。