転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜

「うん。その時が来たらそうするね」
「皆に姿は見えなくてもさ、参加したらどうだ」
「……そんなの、リュークくんが誰もいない空間に向かって話す、変な人になっちゃうよ」
「事情を皆に俺から伝えればいい」
「それだけは駄目。皆、私に同情しちゃう。前の時と同じになっちゃう。バルトくんの時に天に還れなかったのは……きっと、そういうことなんだよ」

 それでもさ。
 パトロール隊の話をする時、いつも羨ましいって顔をするからな。

「そっか。じゃ、ひっそりとついてきな。近々、面白い企みがあるらしいしさ。その時になったら一緒に来いよ」
「だから、私のことが見えるのはリュークくんだけなんだってば」
「話しかけたりしねーよ。でも、近くで見た方が楽しいだろ」

 セイナが迷っている顔で「うぎゅー」と言いながら俺を見たり、ぎゅっと目をつむってみたりと表情をコロコロと変える。

「私、旧校舎以外の場所だとふわふわしちゃうんだよ。先生はほんとに生きてるみたいだけど、私は違うの。透けてふわふわするの」
「分かった。ふわふわするんだな。心の準備をしておく」
「う、うぎゅぅ。行くかどうかは分からないからね!」
「ああ。どうせふわふわしているなら、俺の肩にでも乗っとけ。肩車してやる」
「うぎゅ〜……っ」

 どこか不安気で、でも期待しているように見えた。

 ◆

 それから、セイナはたまに俺たちの活動に参加するようになった。

 台車レースの時も一緒に遊んだ。

「俺の速さについて来れるかな!」
「リュークくん、はっや〜いっ」

 セイナは俺の台車に乗ってはしゃいでいた。重さはまるで感じなくて、確かにふわふわしていた。

 好きなお団子発表の時も俺の隣でふわふわしていた。

「俺はピリ辛団子だ。甘い団子が多い中で辛さが光ったな」
「私はトラちゃんと一緒! 炭酸レモン団子が食べてみたいと思いましたっ」

 交流立食会では、ドレスがなくて恥ずかしいからと入ってこなかった。

 ――だから翌日、俺たちは旧校舎の屋上で待ち合わせをしたんだ。