顔を真っ赤にしながら言うと、梶原は急に真面目な表情になった。そして俺の頭を犬みたいに撫で回しながら言う。

「よ〜しよし。よく言った。その気持ちを藍ちゃんにもきちんと伝えるんだぞ〜。気持ちは合わないとわからないんだからな〜」

「触んじゃねぇ!!気持ち悪ぃ!!」

梶原の手を払いのけ、俺は会議室を飛び出す。心臓がバクバクとうるさい。その頭の中では、藍の白無垢やウェディングドレス姿が浮かんでいた。そして、結婚した後の生活を想像してしまう。

「ただいま」と「おかえり」を言い合って、一緒に日用品の買い物をして、藍のお腹に新しい命が宿ってーーー。

(もしも結婚するなら、俺は藍以外考えられねぇ……)

藍は俺との将来をどう考えているんだろうか。いや、プロポーズって彼女には突然するもんだよな。プロポーズするのに必要なものって指輪か?ドラマとかじゃ、箱をパカッと開けながら「結婚してください」って言ってるもんな。

俺はスマホを内ポケットから取り出し、「今度の日曜、空いてるか?」とある人物にLINEを送った。