『わかりました』

藍から送られてきたのはそれだけだった。あいつ、なんか怒ってる?それとも夜勤明けか?ちょっと不安になりつつも、藍の待つ家へと車を走らせる。

見慣れているはずの道が、やけに煌めいて見えた。鼓動がいつもより早く感じる。藍に早く会いたいと細胞全てが訴えているようだった。

マンションの駐車場に車を止める。エレベーターに乗り込む。まるで、初めて好きな子の家に遊びに行くみたいに嬉しさと緊張が止まらない。ドキドキしながら玄関のドアを開けた。

「ただいま」

「おかえり」

久しぶりに見た藍は、最後に見た時より少しやつれているように見えた。一人で寂しかったのかもしれない。仕事もきっととても忙しかったんだろう。俺はすぐに謝った。

「藍、ずっと長いこと帰って来れなくて悪かった」

「いいよ。事件の捜査で忙しかったもんね」

藍は綺麗な笑顔を見せてくれた。初めて会った時と変わらない。俺は口を開いた。