「工藤!今さっき通報が入った!「連続殺人鬼の正体は自分だ」と知人が言っていたらしい!」

藍の電話を切った直後、同期の捜査員が喫煙所のドアを乱暴に開けて言った。俺は「すぐに通報者に会いに行く!!」と言い、警視庁を飛び出す。

車を走らせながら、何度も心の中で藍に謝罪した。捜査が忙しいからといって八つ当たりをしていい理由にはならない。藍は、一度だって俺に八つ当たりしたことはなかった。

「俺、本当にガキみてぇだよな」

プロポーズをする時、全身全霊を込めて謝ろう。藍の好きなものをなんだってプレゼントしよう。

ハンドルを握る手に力がこもる。もうすぐ事件が解決することを信じ、俺は車のアクセルを踏み込んだ。