仁くんの浮気現場を目撃した日から、私は仕事以外何も手につかない状態だった。部屋から出ていくためになんとか段ボールに荷物を詰めている。すぐにあの時の光景が頭に浮かび、ため息を吐いてしまう。
(仁くんは今日も帰って来てない……。まあ、今顔を見たくないからいいんだけど)
仁くんはあのボーイッシュな女性のところにいるんだろう。私は「今は仕事」と呟き、次の患者さんの診察をすることにした。今は外来で患者さんの診察中だ。
「……今井真(いまいまこと)です。頭痛と倦怠感が酷くて」
今井さんは四十代の男性だ。グッタリとした様子で椅子に座っている。最初は風邪かと思ったものの症状が改善することはなく、近所の内科を受診したものの原因がわからず、総合病院に紹介状を書いてもらったらしい。
「今井さん、症状はいつからですか?」
「えっと……」
今井さんから聞き取りをしていく。随分と辛そうだ。早くなんとかしてあげたい。私は採血を取ることにした。
「今井さん。今から採血をしますね」
「は、はい……」
(仁くんは今日も帰って来てない……。まあ、今顔を見たくないからいいんだけど)
仁くんはあのボーイッシュな女性のところにいるんだろう。私は「今は仕事」と呟き、次の患者さんの診察をすることにした。今は外来で患者さんの診察中だ。
「……今井真(いまいまこと)です。頭痛と倦怠感が酷くて」
今井さんは四十代の男性だ。グッタリとした様子で椅子に座っている。最初は風邪かと思ったものの症状が改善することはなく、近所の内科を受診したものの原因がわからず、総合病院に紹介状を書いてもらったらしい。
「今井さん、症状はいつからですか?」
「えっと……」
今井さんから聞き取りをしていく。随分と辛そうだ。早くなんとかしてあげたい。私は採血を取ることにした。
「今井さん。今から採血をしますね」
「は、はい……」


