「ここにジョン王子のサインがしてある。これは紛れもなく本物だ。」
「嘘だ!そんなものはデタラメだ!私はそんなやり取りはしていない。」
フィリップは父に手紙を書き、
叔父を逮捕した時に押収した書簡の写しを
入手していたのだ。

必死に弁明しようとするリカルドだが、
腐敗した王政に苦い記憶を持つ国民たちが
彼を糾弾していく。

「リカルドがそんなやつだったとは!」
「王政反対!リカルドを投獄しろ!」
彼は瞬く間に捕らえられ、連行されていく。
その間際、
薄ら笑いを浮かべフィリップに言った。
「あのじじい、手紙を燃やしてなかったとはな。所詮、王族も民も変わらん。人は皆、己の信念に酔うだけだ。」

リカルドを見送り、
フィリップは立ち上がる。
理想は幻想かもしれない
――だが、自分が信じる正義と、守りたい人々のために行動することは、本物なのだ。