旧校舎のあの子

それでもしばらく見ていると、その影が口を開いて大きく笑ったように見えたんです。
もちろん影は影なのでそんなことわかるはずがないんですが、なぜかそう思いました。
その瞬間私は悲鳴にならない悲鳴を上げてその場から逃げ出しました。

途中何度も転びそうになりながらもどうにか丘を下って家へと走ります。
窓から下げたシーツのロープにすがりついて自室へと戻ってきたとき、来ていたパジャマは汗みずくになっていました。
どうにか呼吸を整えてベッドにもぐりこみ、朝までみじろぎもできませんでした。

イトコもきっとあれを見たんだ。
あの影は絶対に笑っていた。
それを見たんだ。