旧校舎のあの子

しばらく廃院の門の前でなにかが起きないかと待ってみましたけれど期待するようなことはなにもなく、諦めて帰ろうとしたそのときです。
今まで暗かった闇の中にぼんやりとした明かりが見えたのです。
その明かりがある方向へ視線を向けると病室の窓が見えました。

更に窓の奥の部屋には電気がついており、人影が動いているのです。
前述した通り、廃院の窓や入り口にはすべて板が貼られていたはずです。

なのに、いつの間に……。
呆然としてその部屋を見上げていると、ふいに人影が動きを止めました。
それは後ろを向いているのか前を向いているのかわからないはずなのに、なぜかこちらを見ていると感じました。