好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

 即座にわあっと歓声が沸き起こる。その輪の中心で。

 顔を赤くしつつも、道林ミカは、震える声で、「はい」と答え、彼の手を取ったのだった。


 * * *


「一色のあれ。仕組んだのはおまえか?」

 帰り道を、二人並んで歩いていると、そんなふうに蒔田が訊いてくる。

「そうだよ」と彼女は答えた。「一色くんから結婚考えてるってメールで相談受けて。なら、パーティで告白しちゃいないよってプッシュした」

「油断ならないやつだな」彼が彼女の背中に手を添える。「……いろいろ準備で大変だったろうに、そんなことまで仕組んでいたとはな……」

「終わっちゃうと寂しい感じがするね。準備は正直大変だったけど、充実してたっていうかこれから抜け殻になっちゃいそ」

 彼女は蒔田と一緒になることを決めてからの日々を思い返す。実家への帰省。転職。住んでいるマンションの解約と、蒔田との同居生活のスタート。流産。蒔田の父親との対面。四人での会食。海外での挙式。二人きりの婚前旅行。入籍。にまつわる種々の手続き……。

 どれも、大変とはいっても、愛しいひとと一緒になることの幸せに満ちあふれていた。