花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 五尻禅雨になりきると面白いものでした。わたくしはそれまで、男子トイレに入った経験などないものですから、個室に入るんだよと恋生に教えて貰ったのです。男は個室に入るとばれるから気まずいんだと。そんなことを知るはずのなかったわたくしは声を立てて笑いましたの。初めてちゃんと目にした恋生が言うのは、なんと、お手洗いのこと。しかも下のことでしたから……。

 考えました。ずっと恋生と一緒にいられたらどんなに幸せだったろう。わたくしは恋生で、恋生はわたくし。ほんのすこし、ボタンを掛け違えただけで、このように運命は残酷に酷薄に変わりうるのです。

 お友達の住むペンションに遊びに行く、と裏で恋生と示し合わせておりました。車で駅まで送って貰えれば、後はどうとでもなる。

 大人の知らないところで歯向かったわたくしたちは、顔を見合わせて笑いましたの。ころころと、鈴が鳴るように。